フランス杯2位!に輝く評判のパン屋さん・・

petitmatin2009-02-03

最近、幸運にも続けて美味しい物を作り出す食のアーティスト・アルティザンのアトリエ訪問をさせて頂きました。
今回は、味にはうるさいディジョンっ子の舌を満足させている評判のパン屋さん「Boulangerie Artisan’Halles」を紹介します。
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見て下さい、この素晴らしいバケットの断面を!
大小さまざまな穴が一杯空いていますが、これこそ美味しいパンの証拠です。

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焼立ての美しい星型のパンを手にしているのが、ステファン・トゥルイエさん(44歳)。
ディジョンのマルシェのすぐそばでお店を出したのが2005年、たちまちその美味しさが評判になりマルシェの日は長蛇の列が出来る有名店になりました。

ブルゴーニュ北部の生まれで、20歳でパティシエ・ブーランジェールになり、日々努力と研究を重ね、2003年にはブルゴーニュ・フラッシュコンテ地方のパン・コンクールで優勝、チャンピオンになりました。
日常の忙しさは半端ではなく、普段は午前2時から準備をはじめ、マルシェのある日は1時から開始、900人のお客さんが詰めかけ、1200本のバゲットを焼く事も。
そんな忙しい日々の中、彼は2007年には2年に一度のフランスのパン職人にとってはオリンピックとも言える「Coupe de France de la bourangerie:パン職人フランス杯」に挑戦、見事4位入賞を果たしました。
そして、今年1月末に2度目の挑戦をする事になりました。
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現在このお店に京都出身(私と一緒!)の水口映貴(ひでき)君がスタージュ中で、彼にお願いしてフランス杯参加前の課題作の練習風景を取材させて頂きました。
**写真は師匠の様子をじっと見つめる水口君。

このコンクールは3人一組で参加し、ステファンが伝統的なフランスパン担当、彼のお店で働くセバスティアンが飾り・細工パン、現在スイスのローザンヌ在住のダミアンがお菓子パン担当です。

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ダミアンの作るお菓子パンは甘さが控えめ、いくつでも食べられそう!
当日、本当に沢山お味見をさせて頂きました!

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細工パンを製作中のセバスティアン。  
コンクールは時間制限があり、この日は制限時間オーバー気味で、少々あせっていました。
しかし、完成度はかなりの物。
細工パンにはテーマが毎回あり、今年は「スポーツ」で、彼はその頃開催されていたヨットの国際レースのトロフィーをイメージした地球儀に挑戦しました。

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試行錯誤するステファン。
彼は何か独創的なものを作りたがっていました。

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その結果を見て! 左はエスカルゴのサンドイッチ。  角の部分は爪楊枝を焼いて、パンの色合いとマッチさせています・・
右は少し紫がかった色ですが、こちらもブルゴーニュを意識して、中にジャンボン・ペルシエとブルゴーニュの赤ワインを練り込んだものです、塩味が効いていて、とても美味しい。

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彼も海をイメージしてヨットや錨を描きました。
食べるのがもったいなーい!

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美しすぎる、芸術品のような・・


三位一体!で頑張っただけの事はありました。
1月末に食の街リヨンで行なわれた「フランス杯」では見事2位に輝きました。

そして「飾りパン」で悪戦苦闘したセバスティアンが3月に行なわれる、もうひとつ上のクラス「ヨーロッパ杯」への参加が認められるという、うれしい「おまけ」も付きました。
本当におめでとう!


ステファンは言いました。
「僕の理想のパンはね、値段が高くなくて、毎日食べられるもの、普段着のような日常生活に溶け込んだ、食べ飽きないパン」

さあ、明日からまたディジョンっ子のために、とびきり美味しいパンを焼き続けてくださいね。